先日、表題の通り、ランサーズのコンペ案件にて盗作されたことを記事化し、状況が比較的マシな方向で収束しそうだったため、その記事を非公開にしたのですが。
ようやく綺麗に決着したので、参考までに流れと対応を紹介します。
事の起こりは同一コンペ内での盗作
参加したコンペで採用された案を確認したときに、自分の提案に施していたデザインが盗作されているのを発見。
とは言え、この段階で私が確認できたのは修正案として提案されている一つで、実際に採用された案がその内のどれなのかを確定することが出来なかったため、通報を保留。
数ヶ月後に店舗名で検索をかけてみたところ、私のデザインが施されている案が採用されていたことが確認できたため、悪質な盗作と判断しました。
通報する前に、まずは証拠の収集
とは言え、通報した先で証拠を消されて逃げられてはたまったものではないので、まずは検索して引っかかってきたサイトに使用されているロゴ(サイト込み)のスクリーンショット、盗作者のランサーズ内のプロフィールページのスクリーンショット、私と盗作者の提案と、後はその二つを重ね合わせトレースされたものだと一見して分かるような画像を作成。
それらの準備が整った段階で、まずはとりあえずランサーズの方に通報及び該当するクライアント及び盗作者の情報の開示を求めました。
が、まあ結果は想像通り。
システム内で盗作があったという苦情にもかかわらず「ご不快なお気持ち」にさせて申し訳ないという、著作権にたいして、何ら尊重している意図を感じさせない言い回しとか。
情報の開示は法的効力が働くときのみ対応する旨、利用規約に書いてあるとか。
クソの役にも立たないテンプレ通りのメールが返ってきただけでした。
なので、そのメールを確認した直後に盗作を指示したとおぼしきクライアントと、盗作を行ったクリエイターそれぞれに、同様の主旨のメッセージを送ったところ、まずは盗作者から「たまたま似てしまった」というしらばっくれる気満々のメールが到着。
それからしばらくして、クライアント側から謝罪と盗作の経緯を説明するメールが到着し、事の次第をハッキリと把握することが出来ました。
経緯を確認した後、示談の方向へ
盗作者からのファーストメールには即、ふざけんなという主旨のメールを返していて、その後しばらくはクライアントとの話し合いを進めていたのですが。
セカンドメールで盗作行為を認める旨と謝罪の意を伝えてきたため、こちらも妥協。
行為そのものにはきちんと賠償をしてもらいましたが、ロゴの利用差し止めは撤回。
先々、なにがしかのトラブルがあっては面倒ですし、そもそも必要以上に関わり合いたくなかったため、相応の賠償を得たこちらが該当デザインの著作権を手放す方向で話をまとめました。
とにかくまずは冷静に、証拠固めは必須
自分のデザインが盗作されている現場など、どう考えても遭遇したくはないですが。
万が一遭遇した場合は、まず冷静になることです。
今回、はらわたが煮えくり返る思いを抱きつつも、それでもまだ冷静に対応できたと思えるのは、発見から通報までに5ヶ月ほどの期間があったためだと認識しています。
仮に、盗作が判明した段階でロゴを利用されているのが判明していたら、ただただ感情的に糾弾するばかりで、場合によっては泥沼化も避けられなかったかもしれません。
ですので、まずは話し合いが可能な程度には冷静に。
そして、言い逃れされて仮に訴訟騒ぎにまで発展するようになったとしても、きちんと証拠として提示できるものを集めておきましょう。
たとえば今回の例では、
・ランサーズ内の該当コンペのページ(&提案の日時)
・該当コンペ内の係争の対象となるロゴ
・係争の相手の情報(最低でもプロフィールページのスクリーンショット)
などと言った、その時点で収集可能な物はすべて収集しておくと、対応がしやすくなると思います。
不幸中の幸いというか。
今回の件ではある意味スムースに解決することが出来ましたが、必ずしもこういう結果に行き着けるとは思っていません。
だからといって、自分の権利を侵害されてただただ泣き寝入り…というのは非常に業腹ですので。
こういう状況に巻き込まれてしまった場合、出来るだけダメージを少なくできるように証拠固めをしつつ、上手に(?)立ち回っていきましょう。